京成電鉄・新京成電鉄に新型車両導入
どうも、この3ヶ月間当ブログを放置していたのでそろそろ書き起こさないと…
というわけで、京成と新京成の新車の話題について綴っていきたいと思います。
2019年4月11日、京成電鉄と新京成電鉄は京成300形シリーズに代わる京成グループ標準車両として、京成3100形と新京成80000形を導入することを発表しました。今回の新形式車両は「~受け継ぐ伝統と新たな価値の創造~」をコンセプトに当グループの共通基本思想である質実さ・実用本位を基に設計されています。
各社発表したプレスリリースは以下の通り
・ https://www.keisei.co.jp/information/files/info/20190411_150456251629.pdf
・https://www.shinkeisei.co.jp/official/wp-content/uploads/2019/04/20190411_release_new_80000.pdf
外装
京成電鉄3100形
新京成電鉄80000形
京成と新京成が共同で設計した車両デザインを見ると、側面はこれまでの京成3000形を踏襲しつつ前面は都営5500形に少し似たデザインとなっています。配色を見ると、新京成ではコーポレートカラーを採用、京成では飛行機マークの所に青色、沿線の名所や風景をイメージしたイラスト部分に赤、そして新たにアクセス特急の種別カラーであり、成田スカイアクセス線の路線カラーでもあるオレンジが採用されています。
京成3100形の側面。SRアンテナの台座も備えられている。
内装
次に内装を見ると、京成・新京成共通で採用された設備もあれば、各社独自に採用された設備が存在しています。詳細を見ると、
京成・新京成共通設備
1、車内防犯カメラの設置→1両あたり3台設置も共通
2、全号車にフリースペース・車いすスペースを設置
→都営5500形と同様の車内になると思われる。
3、空調設備による車内環境の改善
→空気の浄化効果のあるプラズマクラスターイオン発生装置の設置や車内空調の制御ソフトの見直し
4、車外行先表示器の大型化
5、ハイバック形ロングシートの採用
→座席の背もたれが既存車両よりも高いものを採用、ガラス越しの袖仕切りの採用
京成3100形の車内
新京成80000形の車内
京成3100形のフリースペース 新京成80000形のフリースペース
京成3100形独自の設備
1、Keisei FREE WIFIの採用
2、停車駅・乗換案内表示および広告放映表示を行う2画面LCD(17インチ)の採用
→JR東日本E233系や東急5000系、東京メトロ15000系などで採用されている表示タイプと同じ
3、スーツケース置場の設置
→導入先の成田スカイアクセス線の利用状況に合わせて一部の座席を折り畳み、そこにスーツケースを置く設備を初採用。
京成3100形の2画面LCDとスーツケース置き場
新京成80000形独自の設備
1、リアルタイムでの騒音に合わせて音量調整できる放送装置の搭載
→自動車内放送にて案内される新京成ではカーブが多いため、カーブ走行時でも放送が聞こえるように音量調整できる放送装置が設置される
2、2画面車内案内表示器の設置による情報提供機能の拡充
→東京メトロ13000系や京急新1000形17次車以降などで採用されている表示タイプと同じ
主要機器
モーターへの電流を制御する装置ですが、両者とも最新の半導体素子を用いたSiC-VVVF制御装置の採用となっていますが、新京成ではフルSiC-VVVF制御装置と表記されています。恐らくですが、新京成80000形に採用されるフルSiC-VVVFは新京成8800形リニューアル車で採用されているものと同様の装置を採用されると思われます。一方で京成3100形にはフルの文字がありませんので、京成3000形3003Fの一部号車に採用されているものと同じ装置を採用されるだろうと思われます。
車番の付記方法
車番について京成3100形は310xFとし、側面には310x-1,310x-2,…とこれまでと同様で附番され、新京成80000形でもN800形と同様の方式で割り当てられますが、80000形は6両編成なので80001,80002,…,80006と附番されると思われます。
今後の投入計画
今後の投入計画について新京成80000形では2019年に6両1本が投入され、同年冬に運行開始予定となっています。運行区間は新京成線のみに留まっていますので、京成千葉線への乗り入れは少なくとも京成線内の無線アンテナが更新されるまではないと思われます。気になる置き換え対象ですが、恐らく新京成8000形8518編成が置き換え対象になるのではと予想しています。ただ京成線直通対応車なので予想が外れる場合もあります。予想が外れた場合、未更新の新京成8800形になりますが果たしてどうなることやら…。ただ、2019年4月現在8000形と京成線直通非対応の8800形リニューアル車の本数が同じ2本ですので、もし80000形投入で8000形2本が廃車された場合、その車両のIRアンテナを8800形リニューアル車に移設する可能性も考えられますが…。
今後置き換えられる可能性の高い新京成80000形
次に京成3100形についてですが、2019年度は8両2本が導入、運行開始予定は同年秋となっています。また2020年以降も継続して導入予定となっており、界磁チョッパ制御車を順次置き換えていくと思われます。ただ、3100形はデザインカラーから見ての通りオレンジなので成田スカイアクセス線に投入されます。その為直接置き換えということではなく、3100形投入で3000形7次車が京成本線に玉突き転属という形で置き換えると思われます。一部の方からはアクセス特急の増発に合わせて投入と予想されていますが、京成の車両基地や運用事情から考えると現時点では難しいのではと見ています。増発させるならT運用に振り分けないとやっていけなさそうな…。また本線仕様の3100形も登場すれば、3500形にも置き換えの動きが起きるでしょう。
今後置き換えられる界磁チョッパ制御車(左が京成3600形、右が京成3400形)
京成3100形の投入計画次第では置き換えが発生するであろう京成3500形
以上で京成電鉄・新京成電鉄の新型車両について書いてきましたが、いかがだったでしょうか。新型車両導入で京成グループの顔ぶれが一新されることでしょう。